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コラム

水上 学
水上 学

水上学の競馬雑記帳

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2014年10月29日

第3回 「一体誰のための競馬なのか」

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 今週末は天皇賞・秋。残念ながらそこにエアソミュールのエントリーはありません。

 毎日王冠を勝ったすべての馬に中距離適性があるわけではなく、毎日王冠の結果をもって、天皇賞に出ないのがおかしいというのではありません。ただ、この馬はマイルの重賞すら使ったことがない。百歩譲って、それまでにマイルの重賞で好走歴があるというのならまだしも・・・・。それが、いきなりレース後に方向変換して、マイルCSに予定を替えたと発表されても、とても納得のいくものではありません。

 武豊騎手が「武豊TV」でもその理由を仄めかし、天皇賞回避を残念がっていましたが、明らかに厩舎事情と馬主事情による使い分けがその理由。馬の適性は後回しにされて、社台オーナーズのイスラボニータや、エアと同厩でこれも社台系グループのクラブ馬エピファネイアとのバッティングを嫌った厩舎、共同馬主サイドの都合で回避となったわけです(社台オーナーズの吉田照哉代表はエアソミュールの所有権も一部保持)。
 もちろん、競馬も人間にとっては経済活動であり、少しでも多くの賞金を獲得するための手立てを打つこと自体には、何ら責められるところはありません。しかし、そこを踏まえた上でも、今回の回避にはどうしても割り切れない思いが残る。それは、競馬の主役である馬が脇に追いやられ、人間側の都合があまりにも強く出て、しかもそれが天皇賞という大舞台であからさまに行われたからに他なりません。

 いったい競馬は誰のためにあるのでしょうか。

 ファンが一番求めているのは、強い馬同士のぶつかり合いが見たい、ただそれだけです。馬は、自分のオーナーが誰か、どの馬がステーブルメイトかなど分からないまま全力で走るわけです。同部屋の本割対決を禁じている相撲のように、プレイヤーに八百長を行う危惧が伴うわけではありません。それなのに、天皇賞制覇に大きなチャンスのある馬が、人間側の思惑で出走することが叶わなくなる。こういう夢のないことを続けていては、後に残るのは白けた思いだけです。そこのところが馬主サイドは分かっているのか。日本競馬をリードするホースマンなら、競馬が真に盛り上がるとはどういうことなのか、そちらを優先して考えてほしいと願うわけで、その意味でとても残念に思います。

 もちろん、競馬ですから、エアソミュールがマイルCSで勝つということもあるかもしれません。しかし、それとは話は別の次元の問題です。馬の運命が、このあと狂うことのないようにと祈るのみです。

<今週のレースから>
 その天皇賞・秋。実績馬の多くが休み明け、目標がジャパンCということは明らかでしょう。波乱の余地はあると思います。世界的良血、マーティンボロを上位評価する予定でいます。

※次回は11月12日更新予定です。

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