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コラム

花岡 貴子
花岡 貴子

Legend Stable 池江泰郎厩舎の軌跡

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2010年05月23日

リルダヴァルとトゥザグローリー ダービーまでの道 <1>

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入厩直後のリルダヴァルと片山助手(右)

入厩直後のリルダヴァルと片山助手(右)
翌日にディープインパクトの近親・ダノンパッションがデビューを控えた2009年6月20日。リルダヴァルと名付けられた栗毛の牡馬が入厩した。
サンデーレーシングでの募集価格は総額1億円。ダノンパッションと同じくディープインパクトの近親にあたる。

池江師はリルダヴァルに対して、2010年最後のダービー出走へ向けての期待を寄せていた。
「フットワークがよく、センスがいい。荒っぽいところもあるが、この気性も個性だね。徐々に慣れていくだろう。」

担当は、池江厩舎で攻め専から持ち乗りへ転じて1年が経った片山裕也助手に決まった。その片山助手、そのころから一環して
「いつかリルダヴァルの叔父はディープインパクトと言わせたい。」
と言い続けている。その理由は、いまそこで走っている"その馬自身"を見て欲しいという願いからだった。
「たしかにディープインパクトを近親に持つ血統は素晴らしい。サラブレッドは血で走るということも重々承知しています。でも、それでも走っているのはリルダヴァル自身であってディープインパクトではないのだから。」

翌日から片山助手はさっそくリルダヴァルに跨り、その柔らかい走りとダイナミックなキャンターをじかに感じながら「これは走る」と実感。と、同時にリルダヴァルの気性と今後どう付き合っていくかを考えたという。
「牧場からの引継ぎの手帳に書いてあったとおり、"馬っ気"がひどい。ひとことで済ませるなら『気が悪い』のだけれど、そういう次元ではない。」
実は栗東トレセン内の検疫厩舎へリルダヴァルを引き取りに行く際、池江師は片山助手に気になることを口にしていた。
「ちょっと元気がいい馬だから、気をつけろよ。」
片山助手が池江厩舎へきて7年になるが、新馬を扱う上で"気をつけろ"という言葉を聞いたのは初めてのことだった。
「先生の言葉を自分なりに深読みしました。敏行さん(池江助手)にそれを言ったら『相当(キツイ性格)やろ、それ』と言われて覚悟しましたが…。もしかしたら、殺されるかもしれない、と腹の底から思ったほどの荒くれ者でした。」
6月21日、僚馬ダノンパッションが鮮やかに新馬勝ちを決めたその日から、リルダヴァルと片山助手の戦いは始まった。


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