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コラム

田端 到
田端 到

王様の馬券入門虎の巻

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2010年06月16日

Episode23 心の叫び

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 今週から新馬戦がスタート。さっそくディープインパクト産駒の話題がにぎやかだ。
 ぼくはディープ命の友人に誘われて競馬を始めたけれど、そうなれば自然と対抗意識がわくもので、ジャパンCの馬券を獲って以来ハーツクライが大好きになった。ディープを負かした有馬記念は、ゴール前で大喜びしすぎて、その友人に「うるせえ!」とスポーツ新聞のハリセンで頭を引っ叩かれたくらいだ。
 あの勝利は未だに、ルメール騎手の腕で勝ったという評価が定着しているけど、ぼくは能力的にもディープインパクトと互角だったと思っている。有馬記念だけでなく、ドバイシーマクラシックの楽勝と、キングジョージ3着をもっと評価して欲しい。

 2006年7月のキングジョージ6世&QエリザベスSは、あとから振り返るほど激闘の価値が上がるような名勝負だったように思う。
 前年の凱旋門賞とアイルランドダービーを制し、当時、ヨーロッパ最強のハリケーンラン。
 この年のドバイワールドCを制し、英インターナショナルSではゼンノロブロイを負かしたゴドルフィンのエース格エレクトロキューショニスト。
 そして日本のグランプリホース、ハーツクライ。
 世界の芝最強馬と、ダートの最強馬と、世界最高賞金の芝レース(ドバイシーマクラシック)を楽勝した日本馬が、アスコットのタフな馬場で激突したのだ。

 このメンバーに恐れをなして、他陣営は回避が続出。レースは6頭立てで行なわれた。
 ハーツクライのルメール騎手は、前を行くエレクトロキューショニストとハリケーンランを見るようにレースを進める。
 先に抜け出したのは電気処刑人エレクトロキューショニスト。その外から心の叫びハーツクライが襲い掛かる。エレクトロのデットーリ騎手は、内のハリケーンランに見切りをつけ、馬体を外のハーツクライにぶつけるように寄せていく。
 デットーリとルメールの攻防は、前年のジャパンCのアルカセットとハーツクライの再現だ。一度はハーツクライがエレクトロをかわして先頭に立つ。
 しかしそのとき、内で手応えが悪かったはずのハリケーンランが台風の走り。ぐんぐん差を詰めてくる。デットーリは再びエレクトロを内に寄せ、今度はハリケーンランに馬体を併せに行く。
 3頭の息詰まる叩き合い。最後はハーツクライが力尽き、内のハリケーンランがエレクトロキューショニストを押さえてゴール。2006年のキングジョージを制覇した。

 見応えのあるレース内容もさることながら、いかにハードな消耗戦だったかは、3頭のその後が物語る。
 勝ったハリケーンランはこの勝利で【8200】。しかしその後は4戦して一度も勝てず、キングジョージで燃え尽きたかのようだった。スミヨン騎手もムチの使いすぎでイギリスの騎乗停止処分を受ける。
 2着のエレクトロキューショニストは、レースから1ヶ月ちょっとの9月に心臓発作で急死。文字通り、真っ白な灰になった。
 3着のハーツクライもその後は一戦したのみ。ジャパンCで大差の10着に敗れ、引退した。
 みな、あのキングジョージの激闘で競走生命を縮めてしまったのだろう。楽なレースが多かったように見えるディープインパクトと、ハーツクライの一番の違いはここだ。
 そのハーツクライの産駒ももうすぐデビュー。ファビラスラフィンの子や、デュランダルの妹などが並んでいる。応援したい。

 マーメイドSはシングライクバードとコロンバスサークルでも買ってみようかな。
 シングライクバードの母シングライクトークは96年のマーメイドSでエアグルーヴの2着。3着以下を引き離した一騎打ちだった。あまり鋭く切れる馬ではないから、内回りの芝2000mは競馬がしやすいと思う。



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