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コラム

田端 到
田端 到

王様の馬券入門虎の巻

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2010年03月03日

Episode8 分水嶺

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 弥生賞にはヴィクトワールピサが出走する。レベルの高いラジオNIKKEI杯2歳Sを制して、ここまで4戦3勝。
 父は昨年の皐月賞馬とダービー馬を送り出したネオユニヴァース。半兄は安田記念優勝のアサクサデンエンと、天皇賞・秋2着のスウィフトカレント。所属は角居厩舎。衆目の一致する皐月賞とダービーの有力候補だ。
 弥生賞も、馬券的にはこの馬の相手探しだろう。おそらく、ひねっても仕方がない。でもヴィクトワールピサは、クラシック候補という以上に、もっと別の使命を背負っている気がしてならないんだ。

 どんなに優れたアスリートでも、いつかは衰える日が来る。華々しい一時代を築いた天才ジョッキーでも、それは例外ではない。
 武豊騎手がここ1、2年、やや不振の状態にあることは確かだろう。昨年はついに全国リーディングの座を奪われ、お手馬の乗り替わりも何度かあった。ただしその不振が、年齢から来る「下降線」によるものなのか、それとも一時的な「スランプ」によるものなのか、ぼくにはまだ判断ができない。
 もっとはっきり言えば、日本競馬の歴史に名を刻んだ天才騎手が、このまま下降線を描くのか、それとも一時のスランプを脱して再びトップの地位に返り咲くのか。
 その分水嶺となるのが、ヴィクトワールピサなのだと思う。このネオユニヴァース産駒は、ひとりのスーパージョッキーの曲線を背負っている。

 武豊騎手は、弥生賞と皐月賞でかなり違う乗り方をする。
 弥生賞は過去20年で13回乗って【6-5-0-2】。連対率85%という驚異的な成績だ。
 そして13回のうち、4角の位置取りが5番手以内だったのは7回ある。
 一方、皐月賞は過去20年で16回乗って【3-0-2-11】。鮮やかに勝った年もあれば、人気で不発に終わった年も多数ある。
 4角の位置取りが5番手以内だったのは、16回のうち、たったの2回しかない。91年シンホリスキーと09年リーチザクラウン。つまり、皐月賞で先行したのは昨年が18年ぶりだった。

 弥生賞では先行やマクリを交えながら、驚異的な率で人気に応える。皐月賞では後方待機策を多用して、ハマるかハマらないかの一発勝負を懸ける。これが武豊の“今までの”騎乗の傾向だ。弥生賞と皐月賞では頭数も違うから、それも違いを生む理由のひとつだろう。
 ヴィクトワールピサの手綱を、武豊はどうさばくのか。前哨戦をどう使うのか。馬より人に注目したいレースだ。
 相手はエイシンアポロン、ダイワバーバリアン、セイルラージあたりから選ぶ手かな。先週みたいな不良馬場になってくれれば、ひねる楽しみもあるけど、今週は違うと思う。

 阪神ではチューリップ賞がある。今回当てはまるかどうかわからないけど、語呂のいい血統格言を考えてみた。
「阪神マイルの牝馬戦、タキオン・スペシャル・カメハメハ」
 おっと、こんなのは格言っていわないか。


各レースの成績、払戻金などのデータは、必ず主催者発表のものでご確認ください。

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