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コラム

金子 京介
金子 京介

京介のダート重賞レース展望

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2010年06月16日

北海道スプリントカップ

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 府中のG1連戦が終了し、JRAがローカル開催へと切り替わると同時のタイミングで行われる北海道スプリントカップは、中央の番組構成ではなかなか日の目を見ないダートスプリンターの、重要な稼ぎ場となるレース。昨年よりも賞金が減額されてしまったためにメンバーが寂しく感じるのは、残念ではありますが…。
 札幌競馬場(ホッカイドウ競馬開催)や旭川競馬場での開催を経て、昨年から門別競馬場に舞台を移してきましたが、門別競馬場2年目となる今年は、今まで1000mで行われてきたこのレースを、1200mに延ばしました。これは今まで前残りしか起こらなかった北海道スプリントカップの傾向を変える、大きなポイントになると思います。
 これが1000mのままで行われていれば、どこの競馬場で行われようが内枠の先行馬が極端に有利であり、追い込み馬のエンジンが掛かる前にアッサリ前残りで決まるレースであったため、誰が逃げるのかだけ考えていれば予想のほぼ8割が終わりました。札幌・旭川・門別がどうとかは深く考えずに、58秒台で走破できるスピード性能さえ測れていれば良かったんです。
 しかし、門別競馬場はコース1周が1600mと、全国の地方競馬場の中でも比較的広いコースであり、調整直後の砂厚も(風雨で流れたりしてなければ)11cmと非常に深め、砂の質も海砂を使用しているために粒子が細かく、かなり柔らかめに沈む砂です。このそもそも特殊なダートの門別競馬場の、2角の引き込み線からのスタートになる1200mで、コース全体を広く使うようレースの条件が変わったとなれば、枠順や脚質面の有利不利が少なくなり総合力上位の馬にとって紛れが減るはず。それと同時に、多少は門別の馬場適性の差がクローズアップされたり、スタミナで優位に立てる差し馬に流れが向くことになると思います。逆に、「逃げてこそ」「ダッシュさえ決まれば」しか根拠がないスピード馬にとっては、かなり厳しくなったと言える条件変更でしょう。

◎4.ガブリン
○2.ミリオンディスク
▲9.ポートジェネラル
△10.ダイワディライト

 実績比較や近走のパフォーマンスを考えれば、当然ミリオンディスクから入る場面ですが、今回の条件変更が大きくプラスに出ると言う意義を重視するなら、ガブリンに本命を打ちます。
 レースを制するほどではないものの、ここ1年間ほどずっと上がり36秒台前後の末脚を発揮していて、条件さえ何か一つ変われば…という現状。自分はこの馬が閉塞した状況を打開するためには、平坦かつ右回りのコースを選ぶべきだろうと考えていました。昨年行われた北海道スプリントカップは、まだ1000mだった条件でありながら、離れた6番手でコーナーを回って末脚を伸ばしています。門別の相当深い砂の適性をキチンと示していますし、脚質的に不利な展開で結果を出したことも大きかったです。その後ちょっと脚元がモヤついていて、なかなかビッシリ仕上がることがないのですが、門別競馬場の深い砂ならあまり故障を心配せず本気で追えるということもプラスポイント。ここのところずっとパドックで四肢にプロテクターを装着しているのですが、それをこのタイミングで外してきたなら勝負気配と見て良いでしょう。

 相手筆頭は、もちろんミリオンディスク。スーニやスマートファルコンらの目の上のたんこぶがいなければ、ここは当然勝ち負けを考えて良い場面。もし開催条件が1000mのままであったなら、短距離馬としては背丈がありすぎる難点を見て、もう少しダッシュ性能の低さを咎める場面でしたが、1200mで地力勝負になるならむしろそのストロークの大きさを武器にできるでしょう。能力的には明らかに最上位です。

 ポートジェネラルは、昨年も出走しましたが、川崎出身のスパロービートにハナを叩かれて5着まででした。しかし、今年は自身の持ちタイムを短縮して勝ち星を挙げていたり、強敵メンバー相手に先手を主張できたりと、実の入りが昨年よりも違うように思えます。2走前の東京スプリントよりもメンバーが低いと考えれば、十分勝ち負けしていい相手関係でしょう。

 ダイワディライトは、今回が叩き3戦目。前走の離された4着ではまだ復調気配を見せたとは言えません。しかし、このレースに向けての万全ローテですし、おりからの雨でかなりの高速馬場になれば拾い上げることも十分可能。持ち時計では全く見劣りしないので、人気を落とすようなら強調したい1頭です。ただし、あくまで雨・重馬場が条件になります。

 このタイミングで無敗馬ラブミーチャンを消し扱いすると、地方競馬を盛り上げたい方面からかなり非難を食らいそうですが、どう見ても今回は強調するポイントが少なく、おべっかでも使わないと印を回せません。
 まず、年が明けて勝利したダート2戦は、かなり弱いメンバー相手にやや緩い仕上げで出した笠松ゴールドジュニア・門別エトワール賞。両方とも勝って当たり前と言える地元の格下馬相手であり、ほぼテン争いせず単騎で進められた楽な展開。当然時計面で強調すべきポイントもないばかりか、途中から競りかける形にもならなかったために中盤・上がりともに平凡。エトワール賞で接戦に持ち込まれたアンペアは、南関東で古馬A2格付けをクリアできなかった馬です。これから古馬相手に戦うことを前提として考えると、ラップの面でも仕上げの面でもいい経験を積んでないことになります。
 51kgと言う軽量が強調点になるのは、ダッシュ争いが大きなウェイトを占める1000mであればこそです。今回はポートジェネラルやヴァンクルタテヤマなど、交流重賞で好走歴のある逃げ馬が相手になりますし、さらに直線で末脚を伸ばす馬も、今までのメンバーの比ではありません。1200mに替わった今年だからこそ、馬が持っているポテンシャルだけでは足りず、経験や鍛錬の蓄積が重要になるシーンだと考えます。気性のモロさや戸惑いを出さないとも限りません。
 そのズバ抜けたポテンシャルは確実だとしても、ただそれがあるだけで今後の短距離界を制圧できるかどうかは、このレースをやってみて初めてわかること。今回は全く保証のないレースで戦うことになるので、期待値も低いだけに軽視と言う判断です。

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